消化器内科

胃腸(消化管)、膵臓、胆道などに発症する腫瘍性疾患、炎症性疾患、機能性疾患の診療を行っています。

 食欲不振、腹痛や腹部膨満感、下痢や便秘などでお困りの患者さんで、一般的な治療で反応しにくい場合の原因精査や治療の相談にも対応します。

診療内容

  1. 消化器がんの診療では、高性能の内視鏡を用いた超早期診断と内視鏡切除を中心とした低侵襲治療を行っています。進行がんで内視鏡治療ができなくても消化器外科や先端がん治療センター、放射線治療科と協力して手術療法や化学療法、放射線治療などの最良の治療を提供します。
  2. クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の患者さんに対して日本最高レベルの診療を行っており、県内外から難治例の患者さんを受け入れています。
  3. アレルギー疾患の一つである好酸球性消化管疾患(好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎)の診療を行う拠点病院です。厚生労働省の難病研究班に属し、アレルギーで生じる消化管疾患の診療と研究を担っています。
  4. 内視鏡検査やCT検査など行っても異常が見つからないのに、胸やけや腹痛、下痢、便秘などで困ることが多い機能性消化管疾患の診療を積極的に行っています。特に、便秘や下痢でお困りの患者さんの原因精査と最適な治療を提案する「便通異常外来」も行っています。 

特徴

 地域医療の中で大学病院の役割を果たすことを目的とし、全消化器領域をカバーできる診療体制と地域のニーズに見合った高度医療を推進できる環境を構築しています(図1)。これらの診療の中心には消化器内科があり、内視鏡診療を担う光学医療診療部、炎症性腸疾患の診療を行うIBDセンターが専門的な部門としてサポートしています。 

 これらの診療体制の中でいくつかの高度医療を推進しています。広範囲食道癌の内視鏡治療を安全に行うために手術室で全身麻酔管理の下で行っています。さらに、食道癌切除後に生じやすい狭窄に対する予防法を開発し日常的に施行しています。最近では化学療法においてがんゲノム検査を積極的に取り入れて個別化医療を実践しています。膵癌や胆道癌に対する内視鏡治療も、小腸内視鏡を用いた非常に難易度の高い治療を年間100例以上行っています。

 また、IBDセンターでは難病指定を受けている炎症性腸疾患に対して、分子標的薬を用いた専門的治療を提供しています。

消化器内科図表