はじめに

内視鏡とその外筒についた2つのバルーン(風船)を利用して、小腸をたぐり寄せて縮めながら挿入するダブルバルーン内視鏡によって、従来、内視鏡が到達できなかった小腸を観察し治療することが可能になりました。

pdfファイル「ダブルバルーン内視鏡検査(印刷用)」(PDF:141kB)

 

対象

  • 小腸疾患(小腸の出血や腫瘍、炎症、寄生虫,異物など)
  • 手術後の胆管・膵管の疾患
  • 大腸内視鏡が挿入困難な場合の大腸観察など

 

検査・処置の方法

  • 口側に近い小腸の検査を行う場合は絶食の上で口から(経口的)、肛門側に近い小腸の検査を行う場合は、大腸内視鏡検査と同様な前処置を行った上で肛門から(経肛門的)ダブルバルーン内視鏡を入れて検査します。
    全小腸を検査する場合は、経口的と経肛門的の2回に分けて検査します。経肛門的挿入で小腸の下半分を調べ、最深到達部の粘膜下層にごく少量の墨や小さなクリップで印を付けておき、日を改めて経口的挿入で残りの小腸上半分を検査します。
    2回目の検査で印が付いているところまで観察できれば、全小腸を観察できたことが分かります。
  • 検査の準備(前処置):前日の21時以降は絶食です。経肛門的検査の場合は、当日朝から下剤を服用します。
  • 苦痛を和らげるために、多くの場合、鎮静剤と鎮痛剤を使用します。
  • 1回の検査時間は、通常1~2時間です。
  • 検査中に病気が見つかった場合は、必要に応じて少量の組織を採取し(生検)、検査に提出します。
  • 病変の切除が必要で、さらに可能な場合は、内視鏡的切除も行ないます。また、出血している、あるいは今後出血する恐れのある病気(潰瘍や血管性病変など)に対しては、止血処置を行います。止血処置の方法には、クリップや薬剤注入、電気で出血している血管を潰す、などの方法があります。
  • 病気によって腸が狭くなり(狭窄:きょうさく)、今後、腸閉塞を起こす恐れがある場合には、狭窄拡張術を行うことがあります。狭窄拡張術とは、内視鏡の鉗子口(内視鏡先端から処置具を出すための穴)から出した特殊なバルーン(風船)を腸の狭いところで膨らませ、拡げる方法などです。

 

入院の必要性

  • 口から(経口的)の場合は、入院が必要です。
  • 治療を行う場合は、入院が必要です。

 

偶発症

  • 消化管穿孔
  • 消化管出血
  • 誤嚥性肺炎(経口的検査の場合)
  • 急性膵炎(経口的検査の場合)
  • 鎮静剤・鎮痛剤の副作用(アレルギー、呼吸抑制、血圧低下など)など

以上の合併症の多くは、内科的治療(絶食や内視鏡治療、投薬)で改善しますが、まれに輸血や外科的な手術などが必要となる場合もあります。