Q1. 入局するってどういうこと?

A1.

島根大学第2内科医局員、関連病院の消化器内科を専門とする医師からなるグループの一員になることです。特に契約や制約があるわけではありません。

 

Q2. 入局するメリットとデメリットは?

A2.

島根大学第二内科には県内外に関連病院が多くあり、入局するとたくさんの仲間ができます。そしてその多くの仲間達と刺激し合い、学び合いながら成長することができます。関連病院には3次医療を行う病院や先端的な診療を行う病院、検診センターなどいろいろな役割を持った医療機関があります。一つの病院に長く勤務することも大切なことですが、様々な医療機関に勤務することで患者さんを多角的に診ることができるようになります。


そしてもう一つの大きなメリットがあります。
長い医師人生の間には予期しないライフイベントにより勤務形態の変更が必要になることがあるかもしれません。そんな時でも医局に属することで多くの先輩、同僚に相談することができ、円滑に転勤や配置転換をすることができます。


デメリットはほとんどありません。
昔のイメージで本人の意思とは無関係な人事に振り回されるのを心配している人がいるかもしれませんが、島根大学第二内科ではそのようなことはありません。人事については本人の意思を最も尊重します。

 

Q3. 島根大学第二内科はどんな医局?

A3.

教授以下入局1年目の先生まで垣根がなく風通しの良い医局です。
笑いの絶えない医局ですが患者さんを思う気持ちは強く、カンファレンスでは熱いディスカッションが行われています。
休日や夜間は待機医制度を行い、お互いの仕事を助け合います。

子育て中のママさん医師も無理のない範囲で診療しています。
みんな仕事熱心ですがオンとオフはしっかり切り替えています。

 

Q4. どんな仕事をしているの?

A4.

消化器疾患の診療、研究、教育を行っています。
初期研修、後期研修の間は診療に専念していただきます。
島根大学第二内科では消化器のあらゆる疾患を診療します。

大学院に入学した先生は診療と平行して少しずつ研究も始めます。研究は基礎的な研究から臨床的な研究があります。研究の成果をまとめて国際学会に発表し論文にまとめるのも大切な仕事です(→Q7,Q8)。

教育は原則、教官(教授、准教授、講師、助教の先生)が担当しますが、後期研修医や大学院生の先生には学生実習や初期研修医の教育の一部を担当していただくこともあります。

 

Q5. 初期研修もしくは後期研修ではどんな研修が可能なの?

A5.

初期研修医や後期研修医の先生には専門を限定せずにたくさんの消化器疾患の入院患者を担当していただきます。診療を行う中で症例報告などの学会発表を経験することで疾患を深く学びプレゼンテーション能力の習得を目指します。

内医認定医(新・内科専門医)をはじめ、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医取得も目指します。
消化器内科が他の内科と大きく異なる特徴の一つに習得すべき手技の多さがあります。入院患者の診療の傍ら積極的に検査や処置に参加していただくことで手技の習得を目指します。基本的な手技を身につけてから、徐々に高度な専門的手技を身につけていきます。

 

Q6. 給料はどれくらい?

A6.

島根大学第二内科に入局、附属病院に勤務になった場合、附属病院からの給与に加え、週1.5日程度で地域の医療機関へ勤務していただき、そちらからも給与をいただきます。

地域の医療機関で行える診療内容は経験年数や習得している手技により異なりますが、合計額では概ね市中病院勤務と同様の給料を得ることができます。

 

Q7. 大学院って入学しないといけないの?

A7.

島根大学第二内科では後期研修終了以降に大学院入学をおすすめしています。初期および後期研修の期間は、まず臨床の腕を磨いてほしいからです。

大学院は新しい知見を確立し学位取得を目指すところです。
学位(博士号)は医学研究を行う上での車の免許証のようなものです。
学位を取得するには、既存の研究を把握して仮説を立て、それを立証するための方法を立案、実行し英語論文にする必要があります。学位はこれらのステップを踏んで医学研究のスキルを持っているということの証です。

一見、別物のように思える研究と臨床ですが、以前と比べて臨床で学位の存在感が高くなりつつあります。なぜなら多くの臨床分野でガイドラインが発行されており、ガイドラインを越えた先進的な診療を行う際は倫理委員会の審査を受けて『医学研究』として行う必要があるからです。

長い医師人生の中で、目の前の診療のみに明け暮れていると要領ばかり覚えて、本当に正しい医療を患者さんに提供できているのかわからなくなることがあります。
医学研究のスキル(=学位)を持った臨床医は自らの診療行為を検証し、診療レベルを高い水準に維持することができます。
将来、開業や地域医療を目指している先生にとっても、質の高い臨床を継続するために医学研究の免許証である学位は有意義なものと考えます。

 

Q8. 研究ってむずかしそう。。。

A8.

誰も知らない医学的な仮説を検証するわけですから、確かに研究は簡単ではありません。しかし、一般の市中病院と異なり島根大学には研究をサポートする設備や部署があります。また島根大学第二内科には研究を指導できるスタッフがたくさんいます。

初めは誰も初心者ですが、皆で相談しながら研究をすすめることができ、日ごろの診療とは異なった連帯感や達成感があります。これは研究をしたことがない医師には味わうことができないでしょう。

 

Q9. 大学病院と市中病院の違い

A9.

大学病院と市中病院の大きな違いは研究できる環境が整っているところです。
研究には動物などを扱う基礎研究と、実際の患者さんのデータを扱い、統計処理を行う臨床研究が含まれます。
島根大学第二内科は基礎研究に必要な様々な実験設備を所有しています。また臨床研究のバックアップも充実しています。
最近の臨床研究においては統計処理が複雑化しています。島根大学第二内科ではSPSSという統計ソフトを用いて様々な複雑な統計処理も行っています。また関連病院とも連携して多施設共同研究の実績も多くあります。


大学病院と市中病院のもう一つの違いは、診療内容です。
市中病院では主にガイドラインに沿った診療を数多く行います。一方、大学病院では市中病院では診療が難しい患者さんも診療しています。

市中病院では典型的な症例を数多く経験することができるでしょう。大学病院では典型的な症例だけでなく難しい症例や先進的な医療を経験できます。

 

Q10. 入局後はどんな進路になるの?

A10.

第二内科では臨床と研究のバランスのとれた医師の育成を目指します。それには市中病院と大学病院いずれの経験も必要と考えます。さらに医師としての経験の幅を広げるためには首都圏や関西圏などの都市部での臨床経験と島嶼部や山間部などの僻地医療の経験も有意義です。個人の希望を考慮しながら進路を決定します。