はじめに

カプセル内視鏡は、内服薬のように口から飲み込まれた後に、消化管(主に小腸)の内部を撮影することができる、幅11mm、長さ26mmのカプセル型の内視鏡(写真1)です.これまで診断が困難であった小腸の出血性疾患や腫瘍が、カプセル内視鏡で診断される例が多く経験されるようになりました。日本では2007年10月から保険適応となり、当院では2008年12月から検査を行っていますが、約半数に小腸の病気が発見され、診断・治療に大きく貢献しています。

パテンシーカプセルは腸管手術後の方や腸管狭窄が疑われる患者さんに対して、安全にカプセル内視鏡検査を行うことができるか、事前に確認するために用いられるダミーカプセルです。バリウムを固めて作ったパテンシーカプセルを飲み、排泄状況を確認することで、腸管の開存性を診断できる検査です。

小腸内視鏡検査システムの新設について(カプセル内視鏡・ダブルバルーン内視鏡腸内視鏡検査システム) 

対象となる病気

  • 術後腸管
  • 小腸に狭窄を伴う病気全般(例えば腫瘍,クローン病など)
     

検査ができない方

  • バリウムにアレルギーのある方

検査の流れ

外来受診(初診)    

  • 検査の必要性を消化器内科担当医が判断します
  • 検査の方法について説明し、検査日を決めます 説明と同意書(リンク→説明と同意書PDF)
      ↓

検査当日 *下記の検査方法は変更されることがあります

  • 前日の夕食後から絶食して来院(無色透明な水分の摂取は可能です)
  • 検査室(附属病院1階 光学医療診療部)でパテンシーカプセルを嚥下します。
  • 回収キットを受けて取って帰宅(日常生活が可能です。食事や水分摂取に特に制限はありません)

検査翌日 

  • 朝に排便があったときは検便していただき、パテンシーカプセルが排出された場合は容器にいれて持参してください。(排泄されたカプセルの形で開存性を評価します)
  • 排泄されていない場合は所定の時間(多くは嚥下後30時間後)にレントゲン写真を撮影してパテンシーカプセルの位置を確認して開存性を評価します。
  • 開存性があると判断された場合はそのまま本番のカプセル内視鏡を行います。
  • 開存性がないと判断された場合はカプセル内視鏡検査は受けることができません。別の方法で小腸を調べることになります。

 

そのほか

  • パテンシーカプセルが排出されていない場合でも、時間が経てばカプセルは自然に溶けて崩壊し、便とともに排出されます。